配線図/路線構造


配線図

※黒色…地下・トンネル構造  青色…高架・地上構造

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解説

 

土地の有効活用のため、路線は基本的に既存道路敷地を利用して敷設しています。東八道路・南多摩尾根幹線では比較的広い幅員が確保されているため高架、その他は一部を除いて地下となっています。地下区間は基本的に道路直下の地下鉄構造ですが、稲城長峰トンネルは山岳トンネルとなっています。全線の高架:地下の割合は55:45とおおよそ半々です。

 

配線は全線複線で、府中試験場前~前原分岐点間1.4㎞は複々線となっています。基本的に高架区間の駅は相対式二面二線ホーム、地下区間は島式一面二線ホームになっています。島式ホームは前後に曲線が入り高速走行の妨げになりますが、地下に相対式二面のホームを建設するのはコストがかかるため、やむなく地下区間の駅は利用者の多い府中以外は島式構造となっています。高架区間の最高速度は多摩丘陵線の長峰~小山ヶ丘間で110km/h、それ以外で100km/hですが、地下区間では最高80km/h、駅部通過時は55km/h制限がかかります。

 

全体として待避可能駅、折返し用の引上げ線や渡り線といった設備は他線に比べると少なくなっています。これは、HSSTのシステム上、ポイントが跨座式モノレールのように大規模になり、設置が容易ではないため、必要最小限に抑えたからです。

 

久我山、府中試験場前、南多摩、唐木田は待避可能駅となっています。久我山は地下駅ですが、敷地の都合で島式一面二線ホームが上下二層ある構造となっており、上層階に下りホーム、下層階に上りホームが設置されています。府中試験場前、南多摩、唐木田は高架式で二面四線となっており、それぞれ折返し列車も設定されています。この他、国立学園通りは地下式二面三線となっており、中線は待避や折返しに利用されます。

 

大宮八幡前には通過線が設けられています。この通過線は上下線兼用となっており、朝ラッシュ時に上り列車が通過線を通る場合は減速を余儀なくされます。

 

前原分岐点で新多摩線と多摩丘陵線が分岐します。

 

緊急時の折返し用のため、方南町の西方と三鷹台団地南の東方に渡り線が設置されています。

 

車両基地は多摩東公園と武蔵野公園の2ヶ所があり、それぞれ公園地下に設備があります。

土木構造

 

 

 

高架・地上区間

 

〇新多摩線:12.0㎞(42%)

〇多摩丘陵線:15.7㎞(72%)

 

●全線:27.7㎞(55%)、高架駅数:24駅

 

・高架区間では、基本的に道路の中央分離帯に支柱を建て、桁を渡していく構造になっています。占有する空間が比較的狭く、既存の道路敷地を有効に活用できます。

 

・地形により、掘割構造や地上に直接軌道を敷設している区間も一部あります。

 

・軌道中央には保守点検作業や緊急避難用の通路が設けられています。

 

 

 

 

 

 

 

地下・トンネル区間

 

〇新多摩線:16.3㎞(58%)

・新宿三丁目駅~久我山駅西方(11.5㎞)

・西原町駅西方~立川南駅(4.8㎞)

 

〇多摩丘陵線:6.2㎞(28%)

・小金井前原駅西方~是政駅北方(2.8㎞)

・稲城長峰トンネル(1.2㎞)

・小山ヶ丘駅西方~相模原駅(2.2㎞)

 

 ●全線:22.5㎞(45%)、地下駅数:18駅

 

・地下区間では、基本的に道路下にシールド工法でトンネルを構築しています。

 

・通常は横型断面のトンネルとなっています。従来は単線シールドトンネルを2つ並べ複線としていたため、トンネル間とトンネル内の両方に余分な空間が生じていました。シールド機を2台つなぎ合わせる最新のシールド工法により、不要な断面を少なくできたため、コストの削減にもなっています。

 

・道路幅が特に狭い区間(久我山駅及び府中駅周辺)では、シールド機を縦に2台つなぎ合わせて構築した縦型トンネルとなっています。

 

・トンネル内には保守点検作業や緊急避難用の通路が設けられています。